市民の目の健康を守る
無料検診50年
戸田ライオンズのメインアクティビティが終わろうとしています!
皆さんに喜ばれ・頼られた奉仕活動を昔のライオン誌記事で振り返ろうと思います。
長きにわたりお疲れさまでした!!
戸田ライオンズクラブの目の無料検診が始まったのは1973年です。その前年にクラブが結成されてチャーター・メンバーになり、自分の職業を生かしたアクティビティが出来ないかと、無料検診を提案したんです。当時、戸田市内には眼科の開業医が1軒も無かったので、大変な反響がありました。毎年10月10日の目の愛護デーに近い日曜日に実施し、2回目からは小中学生の目の愛護ポスター展も開いています。
始めた当時は、結膜炎や角膜炎といった疾患が多かったですね。当時は感染性の結膜炎が主でしたが、現在はアレルギー性が増えて、同じ病気でも様変わりしています。昨年まで43回の受診者数は3334人で、やはり中高年の方が多いです。初期の緑内障が見つかった方、重度の糖尿病網膜症など重篤な病気が見つかった方もおられます。緑内障の原因はいまだ解明されていなくて、ある程度進行しないと症状が出ないタイプもあります。無料だからと軽い気持ちで来られて、初めて病気が見つかったこともあり、無料検診は早期発見につながっているんです。
先日、IPS細胞を使った世界初の移植が行われて話題になった加齢黄斑変性は、私が医学生の時には存在すら知られていませんでしたが、ここ20年から30年でどんどん増えてきました。名前の通り加齢によるものですが、光刺激が原因の一つと考えられています。最近ではパソコンや、特にスマートフォンですね。子どもの頃から長時間見ていると、黄斑に対してかなりの負担になると思います。孫があの小さな画面をじっと見つめていると、心配になってしまいます。
私は元来近視ですが、60歳を過ぎた頃に白内障の手術を受け、おかげで82歳の今も矯正視力1.2です。数年前に息子に院長を譲りましたが、今も週に2日ほど診療を担当し、月1回は主に高齢の患者さんの往診も行っています。往診をする眼科はあまり多くないと思いますが、歩くのが困難になられるなど定期的に受診出来ない患者さんが増えたので、10年前に始めました。
ライオンズの無料検診は今年で44回になります。こうした活動は一人ではなかなか出来ないものです。戸田ライオンズクラブのメイン・アクティビティとしてこれまで続けてこられたのも、メンバーの全面的な協力があったからこそと感謝しています。
2018.02更新(構成/河村智子 写真/関根則夫)
みのだ・けんせい 1934年、三重県津市生まれ。とだ眼科名誉院長。72年戸田ライオンズクラブ入会。多年にわたる臓器移植の普及啓発及び移植医療の普及・向上への貢献により、2017年11月の臓器移植推進全国大会において厚生労働大臣感謝状を贈られた。